岡本りなの稽古場日記~その2「エチュード」の回~

こんにちは!! 演出助手の岡本りなです!!

今回は、エチュードについて書かせていただこうと思います!!

演劇の常識など何も知らないタイプの人間ですが、稽古を通して思ったことを、思う存分、自由に語らせていただきます…!! (こんな場を設けてくださった月館さんに感謝です…!!)


皆さん、エチュード(即興劇・即興演技)ってどんなイメージでしょうか? 「その場で機転をきかせる!」 「とにかくふざける!!」 「なんか途中でぐだっちゃう〜!!!」 などなど、色々あるかと… 

私が高校生のときは、苦手意識がすごくて、 部活でエチュードをやる日は、 「本当嫌だ!!エチュードってそもそも何なの??誰がやりだしたわけ??やらなくてよくない??」 なんて思ってました… (部活をサボりたい系JKになってましたね…)  

あと、個人的に、得意・不得意が分かれるイメージがありました!! 上手い人はめっちゃ上手い!! 下手な人は、めっちゃ下手!! みたいな… (私は後者でしたね、認めます…) 

 だから、私の中でエチュードは、割とマイナスなイメージがありました しかし…!!!! 『ビトウィーン・ザ・シーツ』の稽古を観させていただいて感じるのは、 「エチュードってこんなに素晴らしいものなんだ!!!!もっと真面目に向き合ってればよかった…」 ということです!!


ここで、少し話題がズレますが、 私が初めて観た露と枕さんの作品は、『ビリー・ミリガンの毒薬』でした (もっと前から観てみたかったけど、 「高校生で出会えたなら、十分じゃね?!! 実家が首都圏でよかったじゃんよ!!!」 と、自分に言い聞かせております…)  


作品全体の美しさ、ストーリーの面白さに加えて、驚くほどに自然体だったことが印象に残っているんです… 「内容はフィクションなのに、なぜかウソがない」という世界が確かにあって… それは、お芝居を演じるというよりも、 「現実をお芝居という形にしてしまう」 という感覚です…!!  

当時の私は、特に演劇を見慣れているわけではなかったし、高校生の幼い目線ではあったけれど、その分、純粋に、 「好きだな〜、この世界観!!」と思っていました!!


 今、こうして稽古を観させていただくなかで、ほんのちょっとだけ、その秘密がわかったように思うのです… それは、 「脚本にエチュードの空気感が反映されていく」ということ!!!! 初稿(変更前の脚本)から、脚本が更新されるたびに、エチュードで生まれた空気感がはっきりと反映されているのです…!!そして、更新された脚本を役者が演じることで、エチュードで生まれた空気感が再現するのです…!!!!

エチュードで生まれた空気は、ある意味とても自然体だと思うのです セリフが決まっていない分、 「その場の空気感が台本」とも言えるのかなと思います。

だからこそエチュードは、役者から生まれる自然な空気を目に見える形にしてくれます それを瑠菜さんが緻密に脚本に落とし込むことで、舞台が自然体に近づいていくのだと知り、 思わず感動してしまいました… (「こんなに緻密な過程を踏むからこそ、ウソのないお芝居が完成するんだ…!!」 と心の中で呟いておりました……) 

エチュードのリアルな空気感が、リアルなお芝居を生んでいく… その過程が、魅力の秘訣だと実感しました!! 次回もぜひ!!


岡本りな


【公演情報】 

 露と枕 Vol.5

ビトウィーン・ザ・シーツ 

作・演出 井上瑠菜

2020年11月18日(水)~11月22日(日)

@シアター風姿花伝 

 〈詳細〉http://tsuyu-makura.amebaownd.com/pages/1329398/next

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露と枕