『帰忘』インタビュー②越前屋由隆
越前屋由隆さんです。よろしくお願いします!
よろしくお願いします。
越前屋さんは、今回どのような経緯でご出演を決めてくださったのでしょうか?
僕が以前出演した舞台を井上さんが観てくださったみたいで、おっさんが欲しいということで声をかけていただきました(笑)
僕も早稲田の演劇サークル出身なんですけど、僕がやっていたのは英語劇だったんです。所属団体ではミュージカルもやったりしていました。小劇場のなかではちょっと毛色の違う出自なので、露と枕さんの系統のお芝居を味わってみたいというのもあり出演を決めました
露と枕の稽古にはどういう印象を抱いていますか?
久しぶりにシアターゲームをやっているので楽しいです。学生時代はよくやってましたけど、最近はあまりやる機会がありませんでした。
あとは、稽古場にいつも全員集まっているのも新鮮ですね。ミュージカルだと30人近くいたりするので、なかなか稽古場に全員集合できなくて。だから規模感も違うんですけど、僕は今回の人数くらいでやるお芝居も大好きなんです。
そうなんですね。稽古するなかで他の出演者の方々の印象はいかがですか?
みんなエチュードうめえなっていうのはありますね。お芝居を楽しそうにやる人たちだなって。僕は即興のお芝居に結構苦手意識があるので、稽古前半はエチュードをやりますって言われるたびに心がキュッてなります(笑)
越前屋さんの演じる「柊」について教えてください!
今回、男性が多いのですが、みんな結構柔らかいキャラクターなんです。でも、そのなかで柊は結構ひどい論理を展開するんですよ。だから、話通じねえなみたいな、少し精神的にマッチョなキャラクターが1人いても面白いかなと思ってます。
あとは、男ばっかり出てきて話し合う会話劇なので、男と女の相容れない価値観や共有できないものっていう見方を少し強調してみようかなと模索中です。
男と女の対比という見方は面白いですね。
現代ではすごく難しいテーマですよね。男女に限った話ではなく男同士でも受け入れられないことはありますが、やっぱり男女の違いや受け入れられないことはあると思ってます。結婚して妻と暮らすなかでも究極的にはわかりあえないんだろうなっていう実感はあります。
でも、帰忘のストーリーのなかでどう決着をつけようかはまだ探っている最中です。
今回のタイトル「帰忘」や「忘れる」というテーマについてはどうお考えですか?
僕の演じる柊自身、楽しい思い出や笑い合った思い出を忘れていってしまうシーンがあるんです。記憶なんて自分の都合のいいように書き換えられてしまうから、その人を愛していたのかということに関してもいくらでも変わってしまうんです。
でも、そういう婚約者を亡くした男たちが集まって、交流してという先に「きぼう」があるというのは、救いがあるのかもしれないですね。
越前屋さん自身は忘れてしまいたいことや、絶対に忘れたくないなと思っていることはありますか?
忘れたいことは生きている年数だけ重ねていますよ(笑)
なかでも、男女関係では忘れたいことが多いかもしれないです。もちろん思春期なんて人との関わり方や距離の取り方に大苦戦しましたし、いろいろ人を傷つけてしまったこともあります。
やっぱり、人を傷つけちゃったなということは取り戻せないじゃないですか。忘れたいなっていうのとはちょっと違うかもしれませんが、過去を変えたいなと思うことはありますね。でも、自分が忘れたところでなかったことにはならないからこそ、忘れちゃいけないんだと思います。
どんな人にこの作品を観ていただきたいですか?
内容が内容だけにすごく気を遣うのですが、親しい人の死や結婚という言葉の重みを感じています。実際に経験したらそう簡単に乗り越えられるものじゃないと思うんです。だからこそ、当事者の人が観たときに何か触れるものがなくてはいけないなという責任は感じています。
でも実際観てもらってどういう気持ちになってもらえるかというのは、正直まだ整理がついていないです。試行錯誤の最中ですね。
たしかに、テーマは重いですよね。
そうですね。
もちろん、男女の関係とか人間関係に悩んでいる人たちが観て、一緒に悩んで、なんとなくもうちょっと生きてみようかなという風になったらいいなと思います。タイトルにあるようにうっすらとした「きぼう」、生きていくということについて何か「きぼう」を伝えられたらいいなと思っています。
最後に、意気込みをお願いします!
センパイたちの背中を見つめつつ、頑張りたいと思います!
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