『霾[つちぐもり]』対談

第一篇「霾[つちぐもり]」チーム、奥泉さんと藤本康平さんです! よろしくお願いいたします。

奥泉・藤本 よろしくお願いしまーす。


まず、この前初通し(全編を最初から最後までやる稽古)がありましたが、それも含めて稽古はいかがでしょう?


藤本 立ち上がりが早いですよね。台本をもらってからすぐ稽古があって、次の日には(台本を)放して稽古して、その次の次の次の日くらいには通して……その割には良い形で出来ているのではないかという印象です。

奥泉 毎回稽古一週間で通しやったらいいんじゃないかとも思いました。

藤本 できるかな?! ……いや、でも確かに。

奥泉 今回は(三作品の短編を上演するので)共演者にガッツリ前から観てもらってるのが良いプレッシャーで、楽しかったので。

藤本 そうだね。人に見せるとなると、全然違うね。欲、出たもんね。

奥泉 (笑)舞い上がっちゃいましたね。今日とかは初通しの次の稽古なんですけど、意識して、落ち着いてやっています。

藤本 (「霾[つちぐもり]」は)僕が観た露と枕の作品とは違う印象があるんですけど、どうですか?

奥泉 そうですね……(第三篇の)「霤[あまだれ]」には露と枕っぽい重さがいちばんあるし、(第二篇の)「霖[ながあめ]」も、露と枕の軽い部分な感じがするけど、「霾[つちぐもり]」はいちばん露と枕っぽくない。ただ、第一篇で連作短編集としては導入で、説明的な要素もあって、だからこそいちばん丁寧に作りたいなと思います。

藤本 僕これ、伝わるか分かんないんですけど、三本観て自分のもやって、「霾[つちぐもり]」=マガジン、「霖[ながあめ]」=ジャンプ、「霤[あまだれ]」=サンデーだなって思いました。

奥泉 えっ?! 全然分からない!!

藤本 ジャンプは切り口と取り組み方がポップだけど毒がある感じ、サンデーは一番上品だけど後ろ暗さもあるイメージ。マガジンがいちばん……表現がきわどい気がするから(笑)

奥泉 なるほどな~。

藤本 うん、他で例えると……「霾[つちぐもり]」=豚キムチ、「霖[ながあめ]」=カップヌードル、「霤[あまだれ]」=赤いきつね……みたいな(笑)

奥泉 「霾[つちぐもり]」は辛いんですね(笑)



分かります。味濃くて、辛くて、量も多い感じ(笑)

お互いの役に対してのイメージはどうですか?



藤本 台本を読んだ時の猿飼くん(奥泉)のイメージより、奥泉くんが稽古でやっている方が知的だなとは思った。

奥泉 それは……良いのか!?(笑)

藤本 それが愛嬌に繋がってる気がする。(初読では)もっと馬鹿かなと思ってたけど、結構色んなこと喋るし、バックボーンがあるキャラクターだから、実際にやると知的になるんだなぁと納得してやってます。

奥泉 牛尾さん(藤本)は、台本を読んだ時のイメージの方がドライでしたし、固かった。稽古で藤本さんがやってるやつは、ちょっとイケそうな感じ(笑) 隙がある人柄だなって。藤本さんの根の人の良さが反映されてる気がします。

藤本 ただ、キャラクターについて言えば、初通しで他の出演者の方から「二人ともバカすぎる」って感想が出てましたね(笑)

奥泉 タイプは違うけど、それぞれ「バカ」になる性質を持ち合わせてるんですよね。



お互いがお互い、どこかズレてるんですね。

作品全体に共通するテーマとして、「生活」と「加害」があるんですが、

「霾[つちぐもり]」にとって、「生活」と「加害」とはなんでしょう?



藤本 テーマでいうと、「霾[つちぐもり]」は表面的には「加害」の比重が大きい。

奥泉 そうですね。二人がお互いに違う手法で加害し合ってる……。三本通して観ると、作品における「生活」の比重と「加害」の比重が逆転していく構造になってるなと感じます。うちは「加害」が大きいけど、第二篇、第三篇といくにつれ、どんどん「生活」の生生しさが増えていく感じ。

藤本 ただ、「霾[つちぐもり]」の二人は「ずっと同じ部屋で生活をしている二人」なんです。そう考えると「生活」と「加害」だなと思います。時間が急激に飛んだり場面が急に変わるから、演じている僕たちも見逃しがちだし、はたから見てても、分かりにくいけど。

奥泉 確かに……。



それでは最後に、見ている人たちへのメッセージをどうぞ!



奥泉 露と枕で少人数のお芝居をやるのは珍しいし、その中でも今回は二人芝居をやって、ジャンルも露と枕っぽくない作品で、なかなかやらない試みだと思います。連作短編集としては、「別味」みたいな役割になるのかな。最後にはしっかりいつもの露と枕の味も用意してるので(笑)、興味のある方は是非劇場にいらしてください!

藤本 三本立てということで、一本一本も楽しんでいただけると思うし、三本まとめたときにきちんとした面白みがきちんとあると思います。素敵で個性的な役者さんがめちゃくちゃ多い短編集だと思うので、負けないように頑張ります! 来て損はしないと思います!

ありがとうございました!


露と枕 番外公演

連作短編集『雨のかんむり』

2022.11/9-13 @シアター風姿花伝

詳細:https://tsuyu-makura.amebaownd.com/pages/1329398/next

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